カボス産直のお知らせ。

2023年度産、減農薬カボス、9月3日・4日に収穫しました。
数量限定です。ご注文はお早めに願います。

「祖母の香」という、種子なしの新品種です(1~2ヶ小さい種子が入ることはあります)。
種子の多い在来種「大分一号」と比べて皮が薄く種子がない分、同じ重量で果汁が2割多くなります。

1函3キロで伝票切りますが、実質3.5キロ程度入ります(金額、送料はメエルにてお問合せください)。着色むら、軽度の黒点、なり傷、玉の大小は無視して選別しています(果実内容に影響はありません)。1函60~70個程度です。果実の腰が高いため、芸術的とまで評されるきっちきちの荷詰めはできません(運搬により荷物に隙間が生じます)。その点ご了承願います。
除草剤、ネオニコチノイド系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、腐敗防止剤、ホルモン剤、ワックス、など、不使用です。

祖母の香(種子無し)売り切れの場合は、大分一号(種子あり)に差し替えます。

到着後、新聞紙にくるみビニール袋に入れて冷蔵庫野菜室で保管してください。1ヶ月程度もちます。しなびないうちに、黄色く着色しないうちに使い切ってください。
焼肉、焼魚、蒸し料理、鍋物、焼酎、紅茶、いろいろ使えます。カボスの無糖炭酸水割りは夏バテ薬です。
搾り終えた表皮は、吸い口、入浴剤等に活用できます。

新刊案内 アンジェラ・ゲオルギュー「A Life for Art」通常版/特装版

画像=5月半ば、富山の山田写真製版所にて印刷立会(提供、松田文彦)

1年ぶりの新刊案内です。
アンジェラ・ゲオルギュー著「A Life for Art」を刊行しました。世界的に有名なソプラノ歌手の自叙伝です。生い立ちから、オペラ界での華々しい活躍、そして恋愛や家族との関係まで、彼女の半生を綴った一冊で、彼女の来日公演(2023年6月15・17日東京、24日名古屋)に合せて翻訳出版しました。通常版、税込5500円です。
詳細 https://mizunowa.com/pub/467/

「A Life for Art」特装版のご予約を承っています。なんと、1冊10万円です。
・限定10冊(申込順、通しナンバー入)
・特装版1冊+通常版1冊セット
・クロス貼り角背糸篝上製本(表紙は佐野美幸の染織作品「茜さす」)貼箱入
・著者直筆サイン入舞台写真
・6月下旬頃発送予定(通常版1冊はひと足先にお届けします)
詳細 http://mizunowa.com/angela/

サイトのリニューアルにより、ウェブサイトから注文できるようになりました。

地方・小出版流通センターの情報誌「アクセス」2022年11月号(第550号)に、「第35回地方出版文化功労賞奨励賞を受賞した、島の些末な生活誌をめぐって」を寄稿しました。
「アクセス」Web版バックナンバー http://neil.chips.jp/chihosho/acj/acj-bk.html#saishin
拙著「本とみかんと子育てと」 https://mizunowa.com/pub/459/

次の新刊は離島、民俗、古神道関係書、7月末刊行予定です。
宮本常一ふるさと選書第3集の刊行予定につきましては、後日あらためてご案内いたします。「A Life for Art」編集作業に注力するため、宮本選書の編集を止めていました。

みかん作業。いまの時季は夏肥施用と草刈りが中心です。第1回黒点病防除は5月下旬に終えました。梅雨入りが早すぎて作業の遅れが懸念される情況です。

柳原一徳 拝

みずのわ出版・写真館・農園

お知らせ アンジェラ・ゲオルギュー「A Life for Art」6月出来予定。

2023年6月出来予定

A Life for Art
著者 アンジェラ・ゲオルギュー
聞き手 ジョン・トランスキー
訳者 元井夏彦
装幀 林哲夫
発行 みずのわ出版
ISBN978-4-86426-050-3 C0073
定価 本体5,000円+税
特装版(限定10部)10万円

詳細は、近日中にサイトに掲載します。

社告 柑橘類の発送業務について。

国鉄の荷札。

各位

いつも小社の柑橘類をご購入いただき、ありがとうございます。

柑橘類の発送業務につきまして、お知らせとお願いを致します。

これまで、以下の到着予定で案内をしてきました。
 翌日着 西は鹿児島県まで(離島除く)。東は富山、長野、静岡県まで
 翌々日着 壱岐対馬沖縄本島、関東から北海道まで(離島除く)
 それ以降 奄美群島沖縄県の離島、東北・北海道の離島

最近、首都圏向け荷物の遅延が目立ってきました。人手不足によるものと思われます。
また、奄美群島や沖縄の離島向けの荷物はいつ届くか確約がとれない情況です。気候変動の影響により離島航路の欠航・抜港が多発しているためです。

小社では、送り出し直後に、到着予定日をメエルでお知らせしています。
先日、発送2日後に配達指定をかけた荷物が2日遅延しました。注文主さんから「品物が生鮮食品ですから、どうにも気持ちが悪いので申し訳ないけど受け取り拒否とさせて頂きます」とのメエルが届きました。甘夏は日もちがしますし、配送によって傷むような梱包はしていないつもりですが、そう言われたら返す言葉もありません。

こういうことが続くと、うちのような零細農家はツブれてしまいます。また、ヤル気も無くなります。

今後は、遅延諒解をいただいたうえでの発送と致します。
大幅に遅延することはそうそうないとは思いますが、日本社会が確実に縮小、衰弱に向っている中にあって、運送業者に無理をお願いするわけにもいきません。
想えば、社会の彼是が便利になり過ぎました。そして、便利に慣れ過ぎました。
私の子供のころは、国鉄の鉄道小荷物で大島から神戸まで3日も4日もかかっていました。荷物列車への荷積みの際に荷物をぶん投げるものですから、箱には荒縄かビニール紐をかけて、荷札を2枚括りつける決まりになっていました。荷物が届いた時には、ダンボール箱の角が丸くなっていました。それでも、みなさん、不平不満は言わなかった。国鉄の全国ネットワークで廉価で配送してくれていた、これは事実です。クロネコほか宅配便の普及は一大革命とも思えます。それが、この先も維持していけるのか、疑問ではあります。

やれるようにやるしかありません。
諸々、ご理解願います。

2023.3.23
みずのわ農園  柳原一徳 拝

みずのわサイト、サーバー不具合発生。メンテナンス中です。

【お知らせ】
小社サイト(http://mizunowa.com/)、サーバー不具合発生。メンテナンス中です。ご迷惑おかけいたします。書籍に関するお問合せ等は、以下のメアドまでお願いします。

mizunowa■osk2.3web.ne.jp
(■印に半角アットマークを入れてください)

 

度し難き植民地根性。

防予フェリーから見上げた大島大橋。左側が大島、中央は笠佐島。1月19日夕刻。

2月4日付日録より抜粋。
「本とみかんと子育てと」(2021年1月刊)の続き、来年刊行するつもりで支度を進めている。おそらく1000頁を超える。子供らの先行きを憂うからこそ、書き遺さねばならぬ。

IWAKUNI日米合同交流コンサートというのが、今日(4日)午後岩国で開催される。米空母艦載機部隊配備特別交付金(2021年度までは米軍再編交付金といった)の交付を受ける岩国市、和木町、周防大島町大竹市から各1校園、米軍岩国基地から2校が出演する。岩国市のサイトには「中国四国防衛局が、在日米軍人等及びその家族と基地周辺住民の方々との相互理解を深めるため、スポーツや文化活動を通じて交流する事業を実施しており、今般、岩国市において日米の文化交流事業を下記のとおり開催することとなりました」と書かれている。このコンサートに安下庄小学校が出演することになった。学校行事とはいえ参加は強制ではない。
日本は戦争と戦力を放棄した国だ。米軍は人殺し集団だ。では何故他国の軍隊が日本に駐留して我が物顔で犯罪おかしまくっているのか、それは君がもう少し大きくなってから説明するが、兎に角この世は不条理に満ちている。少なくとも、人殺しとは席を同じくせずだ。ワシは悠太にそう話した。アホみたいな安下庄小学校150周年記念ソングを歌わされるのは嫌やと言って悠太は参加を拒んだ。理由は違えどまあええかと思い、不参加と書いて学校に提出した。
昨日学校で明日のこと(今日のコンサート)が話題にのぼった。クラスのほぼ全員が参加するのだと。確か一人二人くらいだったかな、参加しないのは。みんなでお出かけ、バスに乗っておべんと食べて、まあこりゃ遠足だな。ワシも行きたかったといって悠太が昨夜泣いた。あのな、ワシらとヤツらは対等ではないんだぞ、それで親善なんて話通らへんやないか。米軍の軍人軍属が犯罪おかしても、まともな裁判もなく、無罪放免されるんだぞ。それがまともな独立国、法治国家といえるのか。それやこれや話した。我慢することを覚えろと、かーちゃりんに叱られた。子供の愉しみを奪って鬼悪魔とまで言われた。でもね、やっていいことと、やったらあかんことがある。お前ら、そんなこともわからへんのんか? 自分の感受性くらい自分で守れ馬鹿者よ。茨木のり子を読んでからものを言えや。とかなんとか。
そもそも、学校の先生方にまるで問題意識がない。日米地位協定をどう考えるのか、と訊ねても、おそらく、はぁ? てなもんだろう。先生方が、平和も、人権も、文学も、大切なことは何にも話さない。
話ついでに。学校の給食、大島の小中学校ではいまだ黙食を通している。もはや人間の食事ではない。エサだ。
コロナ対策の基本的対処方針で「黙食」の記述が無くなった。昨年11月、文部科学省は適切な対策を行えば給食事の会話は可能とする通知を都道府県の教育委員会等に出した。それが、この島には届いていない。先生方が新聞もテレビも見ーへんのんかもしれん(2月6日追記。今春の卒業式や入学式ではマスク着用を推奨しないとする指針を政府が示した。それに関わっての永岡桂子文科相の記者会見が6日朝テレビで流れた。記者の質問に対し返答に窮し、貼付きの官僚に知恵つけてもらっているシーンがそのまま流れた。自分の言葉でものを語れない。先生だけではない、政治家もレベルが低すぎる。このシーンを電波にのせたディレクターに意図があったのかなかったのかはわからないが、こんな時、映像の力を痛感する。文字では、この為体は伝わりにくい)。
柳田国男の方言周圏論を考える。言語学のうえでは誤謬が指摘されて久しいが、古い指令が僻地にこそいつまでも変らず残るってのは、社会学としては成り立つようにも思う。ルーズソックスが東京より2年遅れて奈良で流行った(その頃既に東京ではブームは去っていた)。それにも通底する。
僻地の学校教育、もう終っている。学校が駄目なのは今さらどうしようもない。親が踏ん張るしかない。

宇部の海底炭鉱のこと、など。

10月下旬の寿太郎園地
2月2日付日録より一部抜粋。
4時半頃悠太が学校から帰ってくる。ジョン・レノンオノ・ヨーコ「ハッピー・クリスマス(戦争は終わった)」「イマジン」のCDをかける。趙博が唄う「鉱夫の祈り」(詞・曲 高田渡)、「死んだ男の残したものは」(詞 谷川俊太郎/曲 武満徹)も聴かせる。軽薄アホあほしい安小150年の記念ソングとはまるで違う。作り手・歌い手の哲学がある。美しい旋律と詩にこそ、差別や殺戮、不条理への深い怒りが込められる。だから聞き手の心に突き刺さるのだ。そんなことを話す。
 「鉱夫の祈り」の背景として、去年の夏に訪ねた福岡県の田川を記録した筑豊炭鉱絵巻や、宇部の海底炭鉱の話もする。1942年(昭和17)2月3日、宇部の長生(ちょうせい)炭鉱で、海水流入による水没事故が発生した。犠牲者183人のうち136人が、当時日本帝国主義による植民地支配を受けていた朝鮮半島の出身だった。遺骨はいまも海の底にある。もう一つ忘れてはならぬ、保育園や小学校の遠足で行く宇部の常盤公園ってのは、実は炭鉱の遺構なのだ。日本の近代化も、無謀な戦争も、戦後の復興も、炭鉱が支えた。黒いダイヤと呼ばれた石炭を掘り出すため地の底で危険な作業に従事する鉱夫たちの命は資本にとっては交換可能な部品でしかなく、それは檸檬一個より軽かった。この歌を作った当時の高田渡は二十歳そこそこの青年だったが、自身の幼少期から青年期にかけての苛酷な境遇もあり、底辺に暮す人々の苦しみを、身に染みて理解していた。人間への共感と不条理への怒りが美しい旋律と詩を生み出す。世の中にはな、知らなければならないこと、知らなければ恥ずかしいこと、ものすごい表現者のものすごい仕事、仰山ことあるんや。この大島でだらだら過ごしていたのではなんにもわからへんのや。
 どうや、宇部に炭鉱があったなんて知らんかったやろ。
 ――知らんかった。
 小学校の中学年って、県内の色々のことを習うよな、地域学習と称して。何を習うとるんや。
 ――吉田松陰
 そんなん学ばんでええ。山口県で地域学習と言うんやったら宇部の海底炭鉱は外せない。それがまるで出来もせん。だから今の先生方は駄目なんだよ。かつてワシらが習ってきた先生方とはまるでレベルが違うんだ。哲学が無いってのは、そういうことなんだよ。