「パギやん唄うサイン会」開催決定!

mizunowa2007-01-21

【19日】
朝から「夢・葬送――浪花の唄う巨人・パギやんSong Book」の刷り出しに立ち会う。文字だけの本の場合は本文刷りに立ち会わないのだが、この本は写真が重要なウエートを占めているだけに、そこは慎重に進めることにした。ディープシャドーを締めたいが、微妙な階調は潰したくない。かといってフラットに上がってはいけない。思うところあって、本文用紙に「ラフクリーム琥珀」を選んだ。ふわっとした風合いと云ったらいいのかな、表面に少し毛羽立ちがある紙ゆえ、表面のつるつるした「淡クリーム琥珀」とか「淡クリームキンマリ」より写真の刷り具合が難しい……やうな気がする。

午後からジャケットの刷り出しにかかる。雲の調子、肌の濃度、川面に映り込んだ空の色等々、刷り出しては直し……を納得のいく上がりになるまで繰り返す。刷り出しに立ち会う度に、職工さんのプライドを垣間見る。


■■■■■
「夢・葬送――浪花の唄う巨人・パギやんSong Book」刊行記念 唄うサイン会
日時 2007年2月12日(月・振替休日)
場所 海文堂書店 2階〈Sea Space〉
   神戸市中央区元町通3-5-10 Tel 078-331-6501
午後2時〜3時 サイン会(総集編CD「趙博ベスト30」も販売)
午後3時〜4時30分 趙博ライヴ
午後5時〜 近所で打ち上げ


■■■■■
夢・葬送――浪花の唄う巨人・パギやん Song Book
趙博(チョウ・パギ)著
太田順一 写真
2007年2月刊 A5判上製128頁
定価 本体2200円+税
ISBN978-4-944173-46-4 C0095
装幀 林哲夫


〈浪花の唄う巨人・パギやん〉生誕50周年記念フォト・エッセイ集。26曲に込めた〈在日関西人〉のまなざし


[目次]

Before と Because ――まえがきにかえて

喜――橋を渡って、いま此処まで……

長らくご無沙汰してるけど
ようこそ僕の街へ
泪の季節
コマンドまたはファイル名が違います
賢治有情
待ってまっせ

怒――死をも含めて人生だ、ならば……
光のエチュード
おちこち[彼処此処]
監獄へ入ろう
北のエチカ
狼煙
Sweet Sweat & Golden Dust

哀――路地裏から世界を覗けば、旅空に今日も雨
路地裏から
夢・葬送
風物詩
合わせ鏡
初恋の道
雨唄
旅の空

楽――恨[ハン]の声で、恨[ハン]を越えたい……
笑顔百薬
月と氷
揺籃[Yurikago]
星の天秤
夢がぷくぷくわいてくる
もっこす”元気

歌詞一覧


[Before と Because ――まえがきにかえて、より]

――“Before”と“Because”は「歌(唄)」の位相にも当てはまります。「歌う前にやることがあるだろう」「歌っているから繋がるんだ」「歌う前に考えろ」「歌うからこそ見えてくるんじゃないか」etc. etc. ――歌うことを生業としながら、僕は時々、歌を拒否したくなる衝動に駆られます。「歌ってる場合じゃないだろう!」一方、様々な現場で「なぜ歌わないのだ!」と怒りに燃える時もあります。美しすぎる声と拙すぎる絶叫、どちらにも違和感を覚えるのです。「誰であろうと民衆の魂を真に演じようとするものは、多くの道を歩んでいかねばならない。……洗い物をする女性や、縄をない、溝を開き、鉱山へ下り、海に網を投げる男たちの仲間であるということなのである」(ビクトル・ハラ)。僕は、多くの道を歩みたいと思います。いつの日か、“Before”と“Because”を止揚する日を夢見て――。


[著者]

趙 博 http://fanto.org

趙博の読みは、「ちょう ばく」「ちょう ぱぎ」「ちょう ばぎ」いずれも日本語として可。正式な発音は Cho Bak で、英語表記は Paggie CHO としている。「博」は韓国語で Pak、それが母音や特定の子音のあとに来ると Bak という発音になる。[p]→[b]という濁音化の音韻法則は、[t]→[d]、[k]→[g]にもあてはまる。子音終わりの名前には[i]や[a]を着けてリエゾン(連声)させて「愛称」化する。だから[Pak+i]→[Pagi]、それに関西弁の「○○やん」が膠着して「パギやん」が完成する。


[主な個人歴]
1956年 大阪市西成区にて在日朝鮮人二世として出生
1962年 大阪市鶴見橋幼稚園「松組」卒業、精勤賞授与さる
1965年 日韓条約締結により「韓国籍」となる
1973年 日本傳講道館柔道 弐段
1980年 神戸市外国語大学 ロシア学科卒業
    *4回生で落第、5年次に放校同然で……
1983年 関西大学大学院で文学修士号取得(教育思想史専攻)
    *竹内良知(故人)、鈴木祥蔵に師事
1986〜1992年 関西大学講師(教育学担当)
1986〜2004年 (学)河合塾 英語講師


[主な芸能歴]
1992年11月 ファーストアルバム『Rapture & Rage』(自主製作)
1994〜2004年 毎年『セレブレーション・コンサート』をプロデュース
1995年02月 セカンドアルバム『爛漫』(自主製作)
   05月 映画『ぷくぷく夢がわいてくる』音楽担当
1998年04月〜 FMわぃわぃ(神戸市長田区)「趙博のソリ・マダン」
1999年05月 シングルCD『橋/長らくご無沙汰してるけど』
      第3集CD『ソリマダン』(Pandra Record)
2000年06月 第4集CD『ガーリックちんどん』(Pandra Record)
2001年04月 故・マルセ太郎の代役で喜劇『イカイノ物語』出演、全国巡演
   11月 第5集CD『光のエチュード』(Pandra Record)
2002年04月〜 一本の映画を独りの唄と語りで演じる〈歌うキネマ〉上演開始
      *現在までの演目…「ホタル」「マルコムX」「泣いてたまるか」「西便制/風の丘を越えて」「砂の器」「人間であるために」「神様こんにちは」「キクとイサム」「パッチギ!
   10月〜  矢野陽子・喜劇ショップ『ワルルル…』に楽士で共演
   12月 第6集CD『彼処此処(おちこち)』(Pandra Record)
     *板橋文夫トリオとのライヴ録音
2004年03月〜 歌うキネマ『西便制/風の丘を越えて』全国公演
   08月 民謡CD『〈恨〉歌集〜歴史と悲哀のリエゾン』(warble record)
   08月〜 『おんな唄つづら折り』ライヴツアー開始
2005年02月 マルセ太郎・作/永井寛孝・演出『枯れない人々』に出演
   12月 第7集CD『星の天秤』(Tamazo Label)
2006年02月 映画『もっこす元気な愛』音楽担当
   04月〜 歌うキネマ『砂の器』全国公演
      *ピアニストHalma Genと共演
   09月〜 FMさがみ「趙博・朴慶南/チャグンマンナム・小さな出会い」
   12月 総集編CD『趙博ベスト30』(Tamazo Label)


[著作・連載]
1989年 『在日朝鮮人民族教育擁護闘争資料集Ⅱ』(共編、明石書店
1995年 『ニッポンて何やねん?』(共編、CDブック、東方出版
1999年 『英語がわかる』(河合出版)
2003年 『ぼくは在日関西人』(解放出版社

2004年〜 「ニッポン日々漫遊記」(隔月刊『インパクション』)
     「トリの眼・ムシの目・ニャンコの目」(月刊『まねきねこ通信』)