「周防大島・猫庵だよりvol.14」より。

mizunowa2013-07-21

先週の月曜、おっさん4人、1泊で祝島へ行って来た。暑さでへろへろ、考えさせられること多々あった。

1島1町(村)ではないといふこと。町の投資が入らんことによるインフラ整備の遅れ。「宮本常一離島論集」で頻出する「遅れ」といふ言葉を、生で聞いた。島外から入ってくる人らによる「害」もまた聞いた。ここで静かに暮らしたいといふ人も多い。その願いを妨げるのはどうしたものか。

しっかし、観光にせよ産業振興にせよ上関町の無策ぶりは大したもんだ(観光による離島振興などありえないといふ問題はここではおくとして)。ここ周防大島町のほうがよっぽどマシに見える。原発のカネをアテにして30年、すなわちひと世代もの間、モノを考えてこなかったらこうなってしまふといふこと。
第一次産業を基盤に「外貨」を稼ぐ祝島と、原発のカネをアテにして思考停止に陥った対岸の長島(上関町「本土」)との差、これは大きい。

写真は、祝島の西海岸。小祝島の横に日が沈む。
海岸端のヒジキの付き方が、大島とは比べモノにならないくらいに多い。藻のつき方ひとつで、海の豊かさがわかる。このヒジキも、上関原発が建設されたら、温排水が原因で間違いなく全滅するだらう。海と大地の恵みで食うていけなくなる、それは、まともな社会とは思えない。



以下、ほんぢつの「周防大島・猫庵便り vol.14」より。


各位


6年使ってきたデスクトップがこの春お釈迦になり、緊急対策で友人より借りた中古デスクトップがひと月でまたお釈迦。続くときは続くもので、唯一稼働していた2年選手のノートパソコンが6月末にツブれ、修理があがるまでの10日ほど、パソコンのない文化的な生活をしていました。
以下、サイト更新と新刊2点のご案内です。



みずのわ放送局連載「北京20年」第24回「陝北游記(1)」
山田晃三(北京在住日本人)
http://mizunowa.com/soushin/peking.html

※5月に戴いた原稿ですが、忙しかったりパソコンがツブれたりで、更新が遅くなりました。マスゴミが伝えない中国。



那須圭子写真・文「My Private Fukushima 報道写真家福島菊次郎とゆく」7月末出来 写真オールカラー 税込定価3465円 予約受付中(特別価格での受付は7月末まで)

●本文より、一部抜粋。
十年後もしも上関原発ができあがり、事故を起こしたら、
推進派の町長や住民はもちろん、
代々原発を推進してきた山口県知事も、こう言うにちがいない。
「だまされていました」
そしてあの、その他大勢の人たちは言うだろう。
「国が悪い!」「中電が悪い!」
原発反対!」と。
私もきっとその中の一人だった。
偶然山口へ来て、原発の真実に出合わなければ。
フクシマへ行きたい。
福島さんと私の中で、その思いが日増しにふくらんでいった。

詳細→ http://mizunowa.com/book/book-shousai/fukushima.html



「神戸市戦災焼失区域図復刻版」7月末出来 税込定価2100円 予約受付中

小社ではこの度、「神戸市戦災焼失区域図 復刻版」を刊行いたしました。
これは、戦中の国策統合会社であった旧・日本地図株式会社により、1946(昭和21)年6月に刊行された「神戸市戦災焼失区域図」(天地382mm×左右1080mm、縮尺20,000分の1)を原寸通りに復刻したもので、アジア太平洋戦争下、度重なる空襲により焼失した地域が赤色で示されています。近代以降、1945年の空襲と1995年の阪神淡路大震災で二度にわたって灰燼に帰した旧六大都市・神戸の、昭和戦中期の街区、町名を今に伝える貴重な資料でもあります。
なぜに神戸の戦災焼失区域図を山口県の版元が、といいますと、小社は阪神淡路大震災後の1997年12月に私(柳原)の「一人出版社」として創業して以来、東日本大震災福島第一原発爆発事故後の2011年9月に山口県周防大島に移転するまでの足掛け15年にわたり、神戸で出版活動を続けてまいりました。「神戸・ユダヤ人難民1940-1941」(金子マーティン著)、「山上の蜘蛛−神戸モダニズムと海港都市ノート」(季村敏夫著)、「神戸の古本力」(林哲夫高橋輝次・北村知之編)など、神戸関連書も数多く手掛けてまいりました。今回の復刻地図は小社が神戸でやり残した仕事の一つです。戦時下を生きぬいた世代が次々と世を去り記憶の風化が進むなかにあって、いま、非戦を誓った日本国憲法が改定の危機に直面しています。そのような状況のなか、都市に刻まれた戦争の記憶を掘り起こし次代に伝えるために、これだけは出しておかねばならないという考えで、刊行に踏み切った次第です。
良好な状態で残る「神戸市戦災焼失区域図」の原本は貴重ゆえ、古書市場でも滅多に出回ることはありません。これでは一般の市民のみなさんの目にふれる機会はまずありません。資料は一般の市民が求めやすい価格で、広く行き渡ることが肝要です。
今回の復刻部数は1000部。定価2100円(税込)に設定されていただきました。取次に納品していますので書店でのお取り寄せも可能ですが部数が限られており、時間もかかります。直送が早くて間違いないです。小社までメエルにてご注文いただきましたら送料サービスにてお送りいたします(恐れ入りますが、振替手数料はご負担願います)。何卒よろしくお願い申し上げます。

詳細→ http://mizunowa.com/book/book-shousai/kobe-map.html


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代表 柳原一徳