お知らせとお願い 地方における出版活動を維持するために。

mizunowa2014-04-11

画像=青島(晩生温州)の苗植付け。4月1日



小社サイトを手直しした。→ http://mizunowa.com/index.html
8年前にウチの身内に作ってもらったもので、更新しにくい(訳のわからん)設定やら表記の不統一やら何やら気に入らんところ色々あるのだが(タダで作ってもろたモノに文句言うたらアカンのやけど…)、私のやれる範囲で、できるところから改善をはかるつもり。トップペイジの画像を変更。左サイドの文字が見えにくくなってしまったが、文字色の変え方がわからんので、当面放っておく。


●更新じょーほー
小社サイト連載 北京二十年 第26回 陝北游記(3) 山田晃三(北京在住日本人)
http://mizunowa.com/soushin/peking.html
※12月末におげんこ戴いてたのですが、なかなか手が着かず更新がすっかり遅くなってしまいました。



小社サイトのトップペイジに、かなり深刻な「お知らせとお願い」を掲載した(3月末にFacebookとblogに掲載したものに加筆)。以下、転載。

お知らせとお願い 地方における出版活動を維持するために



小社では、個別のお客様への直販、書店販売のいずれも消費税を加算していますが、学習会・上映会・その他イベント等の主催者、および、5冊以上のとりまとめ購入の取扱者への納品分に限り、特例として【本体価格×0.8(外税なし)】で卸し、本体価格のみでの販売も許諾してまいりました。取り扱って下さる方々の釣銭扱いの手間の軽減、および、イベント等に御足労いただいた方々への限定的サービスととらえてのことでした。
この度の消費税率引上げに伴い、上記の取扱いをとりやめさせていただきます。
2014年(平成26)4月1日以降、卸価格を【本体価格×0.8+消費税】に変更させていただきます。


書籍代金の合計額が1,000円を超える場合の送料無料扱いにつきましては、当面、継続いたします。が、いつまで継続できるかわかりません。今後さらに経営状況が悪化し、逐一送料をご負担いただかなければ出版活動が維持できないと判断した折には、その旨、改めてお知らせいたします。


小社ではこれまで、著者割引での購入分については消費税を加算してきませんでしたが、2014年4月1日以降は消費税を加算し、【本体価格×0.8+消費税】に変更します。
これまで一部の刊行物について「著者の知り合い・紹介」と明記して小社にご注文戴けば著者割引を適用してきましたが、これをとりやめさせていただきます。また、著者関係者による、ご自身の著書以外の小社刊行物のご注文につきましても、これまで著者割引扱いを適用してきましたが、これもまた、とりやめさせていただきます。


昨年秋から本格的にミカン農家兼業になったことに加え、わが家の子育てもあり、さらに過疎化高齢化による担い手不足は深刻で、村落共同体維持のためにやらねばならぬ仕事の負担が重くなっています。
小社の刊行物は「単にテクストを並べ替えただけのもの」ではない、すなわち、苛酷と言えるほどに手間のかかるものが多く、まだこれから先、責任をもって世に出さねばならぬ出版企画もあり、私一人で抱える仕事量としてはもはや限界を超えています。そのようななかにあって、1冊、2冊といった小単位の注文に対し割引を適用し送料を当方で負担し続けていたのでは、かかる手間暇だけではなく、経費的に維持できなくなってしまいます。今回、まずは直販時における定価販売の徹底から手をつけます。それでも苦しいと判断した折には、送料無料扱いのとりやめを考えるしかありません。


なにぶん、消費税増税前から増税分をはるかに上回る勢いで諸経費が高騰しています。あわせて、書籍市場の絶望的な縮小もあり、出版活動の維持は日に日に困難の度を深めております。刊行物の定価設定も、地方における少部数出版の実情に鑑みて高めに設定せざるを得ないとはいえども可能な限り低く抑えるべく努力してまいりましたが、ここまで本が売れなくなってしまった現状にあっては、もはや経営努力の限界を超えています。
いまや書店は瀕死の状態ですが、そこに新刊書籍を供給する版元もまた瀕死の状態です。知も財も偏在する首都圏にあっては書店版元ともにまだまだ維持していけるであろうとは思いますが、農山漁村から都市部への労働力移動という、朝鮮特需以降一貫した国策によって収奪され尽くした感のある地方にあって、出版文化を維持するのは究極無理ではないかと思えるところがあります。
とはいえ、地方小出版社は、極小とはいえ「公器」です。地方における出版活動が維持できなくなってしまうということは、わが国社会における文化の衰退・精神の劣化に拍車をかけるものであると考えます。
無くなってしまってからでは遅いのです。おカネを出して本を買って読んでください。町の書店と同様に、版元もまた、買い支えがなければツブれてしまいます。
また、市販本、私家版問わず、良い企画がありますればお声かけください。以前ならば経費版元持ちで市販本として刊行できた企画であっても、昨今の状況にあっては「自費出版物」として著者に経費の負担をお願いするほかありません。その点はご了承願います。兎にも角にも、まともな本を一点でも多く世に残したいものです。
ご理解ご協力のほど、何卒宜しくお願い申し上げます。

2014年4月  みずのわ出版 代表 柳原一徳