もう時効ですわな、奈良テレビ裏話。

mizunowa2007-08-15

【写真】
8月初旬猫庵にて。炭酸水といえば、キリンレモン派と三ツ矢サイダー派に分かれる……やうな気がする(ラムネは別格官幣大社扱いかな?)。住友系アサヒ麦酒の本拠地ということもあり、関西では三ツ矢サイダー派が多い、と思う。門真出身の西明石変態クラブH君は、○の素てんこ盛りのお好み焼き食べもって後頭部ガンガン痛むのを三ツ矢サイダーで毒消しするのが〈カンサイ人の正しいお好み焼きの喰い方〉だと云う。こまい頃周防大島で育った所為だらう、私はキリンレモン派でアル。それも瓶のやつに限る!


【集団自決】
三宮の勤労会館「8・15平和のための市民の集い」(主催=戦争を起こさせない市民の会)で本を売る。100人くらいの集まりだったが、ほんま高齢化進んどるなあ。若い衆がおらん。それにオッサン指数の高いこと。ここ12、3年くらいの傾向かな、市民運動とか労組の集会ってシャレ抜きで本が売れんのですよ。「アメリカ占領下沖縄の労働史」2冊、CD「趙博ベスト30」1セット。これでは日当も出ない。

まあ、山内徳信さん(現参議院議員、元読谷村長)の講演が聴けただけでよしとしやう。沖縄戦での住民(=非戦闘員)の「集団自決」がすべての教科書から削除された件。「手榴弾で集団自決をした。手榴弾とは軍隊の持ち物である。何故に、住民が手榴弾を持たされたかが見落とされている。軍隊は住民を守らなかったということ、集団自決はそれを表している」「私は、元は地理・歴史の教師だった。歴史は、真実を教えなければ未来を誤る」――講演全体の半分くらいしか聴けなかったのだが、手許のメモより。


【もう時効ですわな、奈良テレビ裏話】
それで思い出した。
奈良テレビで仕事をしていた頃のこと。確か大和郡山市の主催だったと思うが、1分10秒程度の尺で沖縄戦の写真展を紹介した際、アナウンス原稿の末尾に入れた「軍隊は住民を守らない云々」というコメントが削られたことがある。これまた自主規制。つまらんッ
つまらんといえば、こんなこともあった。北京女性会議に参加した社民党の活動家へのインタビューものを作った折、当時の報道部長から事前に注意を受けた。「従軍慰安婦問題には気をつけてくれよ。何せ、ウチの取締役には奥野誠亮が居るんやからな」と。言わずもがなだが、従軍慰安婦問題について話者が語りだす手前のアナウンス原稿は、骨抜きになった。


そんなことが多々あったので、やめるに際して、最後に制作した企画ものは周到に“騙し”を仕込んだ。奈良に講演に来た反戦地主知花昇一さんへのインタビューもの。まず企画書提出の段階で「県内で沖縄文化を紹介する活動をしている○○さんへの取材」とか何とか、あることないこと並べて企画を通してしまう。沖縄戦の資料写真など事前の仕込みは別の取材のついでにやっておき、カメラマンにも口止めして、上に勘付かれないやうにする。オンエア日も、報道部長のいない日にぶつける。中身をチェックされないように、冒頭2、30秒程度のコメントを除き、約9分にわたるインタビュー本体は完パケ(字幕スーパー、音声などすべて焼き込んだ“完成品VTR”のこと。オンエア時にアナウンスや字幕スーパー、BGMをのせる必要がない)にしてやった。そのうえで、念には念を入れてオンエア直前までVTRを提出しなかった。字幕スーパーの作成からインタビューを切る作業から、すべて事前に済ませていたため、当日の編集作業は昼時までに終わってしまった。出来上がった完パケをカバンに詰めて編集マンの若い衆とメシ屋に出かけて昼酒呑んで茶ぁしばいて、午後はまた編集室に籠って“忙しいフリ”しもって時間をつぶした。やめると分かってへん限りできん芸ですわな。「やられた。広島カープの野球や」と、デスク兼任のSさんがオンエア後、私に云った。