惜別とか追悼とかいったものを忌み嫌う理由。

mizunowa2007-10-14

12月8日、海文堂トークショーのご案内


12月8日(土)に以下のトークショーを開催することになった。画像のビラは林画伯謹製。宣伝するには少し早い鴨……だが、とりあへずお知らせだけでも。

トークショー「本と女の子の本音?」

本の世界を「女の子」のキーワードで変えた近代ナリコ神田神保町の良心・畠中理恵子が、読書、出版そして書肆アクセス閉店までを本音で語り合います!

[語り手]
畠中理恵子 1963年神奈川県生。94年より書肆アクセス店長。共著に『神保町「書肆アクセス」半畳日記』。
近代ナリコ 1970年神奈川県生。『modern juice』編集発行人。著書に『本と女の子』『インテリア・オブ・ミー』他。
進行=林哲夫

日時 2007年12月8日(土)午後3〜5時
場所 海文堂書店2階 Sea Space
   〒650-0022 神戸市中央区元町3-5-10 Tel078-331-6501
入場料 500円

この間畠中さんと会うた折、書肆アクセス閉店後、一度神戸で呑もうという話になった。だったら呑むだけっちゅうのも勿体ない。そんなこんなで、林画伯、Fおか店長、ワシの思いつきで立てた企画、である。
その頃には「書肆アクセスの本」も出来ているだらうから、販促もセットにして海文堂さんの売上が増えればそれもまたよしと。8月14日付当blogに書いたとおり、私個人はあの企画には賛同できないのだが、それとこれとは別だ(お花畑の住民って、そこんとこが分からへんねんな〜)。



惜別とか追悼とかいったものを忌み嫌う理由
書肆アクセスの閉店をめぐって、9月21日付東京新聞夕刊文化面に大日方公男さんの署名記事が出た。沖縄のボーダーインクさんとウチのコメントが載っているが、それはおくとして、一部を引用する。

「地域の本を探すお客の顔を見て声を聞いて、読者と著者が具体的に出会う場です。と同時に、小さな出版社が自分たちの文化やアートを発信する場でも」と話すのは、書肆アクセス店長の畠中理恵子さん。出版文化の東京一極集中は今さら語るまでもないが、都市の文化を賦活し刷新するのは、東京の内側からではなく、むしろ外側からの文化的な刺激による。その象徴的な場の一つが消えることになるとともに、地域や小さな文化を片隅に追いやる格差社会の構造がますます加速する懸念もある。

消えてしまった後で「ええ本屋やったのにな〜」なんて話になるのはわかっとる。でも、外野がどう惜しんだところで、今やそれが商売として成り立たなくなってしまったのだ。「書肆アクセスが閉店する」ということ、それだけの問題ではない。地方、零細の書店や版元にとって「明日はわが身」だ。じり貧のなかで、どこで見切りをつける? それとも、どうやって続けていく? 堂々巡りで答えは出ないけれども、今ここで死ぬわけにはいかない。逃げようのない現実は、日々降りかかってくる。惜しまれつつ消えていく書店への「惜別」や「追悼」をしている場合ぢゃない。もっと大事なことがある。私が「書肆アクセスの本」に賛同できない理由の一つは、ここにある。