日蔭の病。

mizunowa2008-11-24

【写真】
「spin 04」限定版執筆者全員サイン本。今回は11人、仕込みに40日かかった。
海文堂書店神戸元町)にてほんぢつより先行発売。明日午後から東京堂書店(神保町)、聖智文庫(藤沢)にて発売予定。大阪の矢野書房、アトリエ箱庭には今週中に持っていくつもり。


【事……なかれ】
京都に出る時はいつも阪急を使うのだが、今回そちら方面の仕事があり久しぶりに酷鐵京都駅で下車した。設計したヤツの趣味が悪いというかどたまが悪いというか、度し難き誇大妄想を具現化したやうな要塞になり果てた京都駅にはなるべく近寄りたくないのだが仕方がない。
差し込んできたので、駅ビル伊勢丹のトイレを借りるべくエスカレータを上がる。週末の京都は梅田や難波より人が多い。歩く速度は人口密度に反比例して遅くなる。なかなか前に進まん。男子トイレは1階おきに設置されている。腰痛持ちに和式便器は大敵、である(ついでに云えば8年前突発的にに血栓性外痔を患って以降、再発の恐怖に苛まれる日々を送っている)。が、一つしかない洋式便器(それも、スグレモノ肛門洗浄便座)が埋まっている。お気の毒なことに、女子トイレには行列が出来ている。エスカレータ横のフロア案内をみて納得した。ここのトイレ、1フロアに1ヵ所しかない。おまけに非常階段の場所がわからない。これって、何ぞ起こった時は怖いぞ。
結局、伊勢丹を諦め、駅前のめるぱるくのトイレを借りた。肛門洗浄便座、偉い!


【日蔭の病】
数年前、K出版社のO君が痔の手術のため入院したことがある。最初入院する予定だった病院の名前がスゴかった。大阪肛門病院! そのまんまやんけ!!
そこで考えた。お見舞いに行くのにどうしたものか。あの病院の玄関からアホ面さげて出てくるといふだけで「見てみ、あのオッサン痔ぃやで〜」といふ世間様の冷たい視線が突き刺さってくる。「ワシは単なる見舞い人ぢゃー」とわめくのもどうかしとる。「おとーさん元気でよかったねー」なんてわざと大声で話しもって出てくるんはどないぢゃ。いや、それはそれで恥ずかしい。自身も痔主だとカミングアウトしたF舎のIさん曰く「ごめんねヂロー」……しばらくの間、近辺でそんな話題で盛り上がった。
これってまさしく日蔭の病やな。毎度おなじみヒ○ヤ大黒堂の「ぢ」の広告が諸悪の根源といふ人もいる。さうさう。むかしボラギノールのコマーシャルでもありましたな。公衆電話。買い物を頼まれているおねいさん。「ボラギノール? ああ、痔の薬ね」。目が点になる隣のおにーさん。おねいさん、そこですかさず「おとーさんのね」……この娘、鬼やな。


結局、O君は天満の病院に入院した(病院の名前は忘れた)。大阪肛門病院といふ直截的な名称を厭がったのかどうか、それは聞き忘れた。