卓袱台クラッシュ。

mizunowa2009-04-22

【画像】
東京都文京区本郷、壱岐坂裏。正面に後楽園の遊園地が見える。15年前わずか1年ちょいではあったが、ここらへんで仕事をしていた。壱岐坂の交番の角を上がったところに新潟出身の親爺が経営する古い酒屋があって、そこでは「吉乃川」をメインに取り扱っていた。ワンカップの空瓶を酒で満たし蓋を空けた沸騰ポットで湯煎すると、ものの3分で熱燗ができた。寒い夜には重宝した。胆嚢全摘の直後でもあり、あまり量が呑めなかった記憶が残る。数年前、近くを通りかかった折に立ち寄ったら、店は跡形もなく消え失せていた。


【狂気の沙汰、続き】
「古書往來」(高橋輝次著)巻末索引の入力作業がやっと完了した。これから印刷所に最終ゲラを送り、週末校了を目指す。校正を兼ねた入力作業の段階で初めてわかるミスも少なくない。だからこそ、資料性の高さが求められる本では、索引取りは生命線ともいえる。人名906、書籍タイトル713、版元・叢書名319、計1938項目に達した。新記録! 索引取り作業にあたった老松町蛙娘の功績や大ナリ。


【卓袱台クラッシュ】
以前から進めてきたある出版企画について、共同作業が成り立たないと判断して中止の決断を下した。いわゆるひとつの卓袱台クラッシュだが、自身の納得できない本は一切世に出さん主義ゆえ仕方がない。実際にゲラが出ていて、企画をストップするにあたり印刷所との間でペナルティー(当方にしてみれば、いわゆるひとつの金銭的損失)も生じるが、そんなケチな了見で先々の仕事を狂わせてはいけない。プロとして、断じて譲ってはならぬものがある。