豆茶を煎る。

mizunowa2012-09-22

フェイスブックより転載。


豆茶を焙烙で煎る。ハブ草、すなわちハブ茶なのだが、スウパアマアケットで売ってる中国産のと比べると、周防大島のそれは丸っこい。同じハブ草でも、代々育ってきた土地が違へば遺伝子も違ふといふ。
遺伝子が違ふと云へばこんなこともある。この辺で売っているアサリは広島県大野産が主流で、有明海から運んできたタネを廿日市、宮島あたりの海域で太らせたものである。有明海のアサリは黒っぽい。瀬戸内海に元々棲息していたアサリは、有明海のそれと比べると丸っこくて色彩も豊富である(小社刊「里海の自然と生活――海・湖資源の過去・現在・未来」印南敏秀編の、カラー口絵「瀬戸内海・ハチの干潟」=岡田和樹写真・文=参照)。同じアサリでも海域によって遺伝子が違ふ。閉鎖性海域の瀬戸内海では尚更、である。だとしたら、別の海域のアサリを運んできて瀬戸内海に大量にまくのは、長い目でみればひじょーにまずい。現に、瀬戸内海に元々いたカラフルなアサリは、いまの周防大島では、ほとんど獲れなくなった。室津半島でもアサリは獲れないと、柳井市阿月に住む義兄に聞いた。水質の改善は進んだが、生物多様性の恢復は日暮れて道遠し、の感がある。
そんなこんな含めて、ウチで作った里海論三部作(印南敏秀編・著)は歴史に残る名著なんだが、これがまた売れんで困ってゐる。海の生活誌は奥深い。が、売れるかどうかで云へば厳しい。


里海三部作
・里海の生活誌――文化資源としての藻と松 http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/seaweed%20&%20pine_tree.html
・里海の自然と生活――海・湖資源の過去・現在・未来 http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/satoumi2.html
・里海の自然と生活2――三河湾の海里山 http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/satoumi%2003.html