イタドリの駆除。

mizunowa2006-04-13

【4月9日】
昨夜はよう呑んだ。そのまんま鯛の里で沈没。朝から黄砂てんこ盛り。ええ日和だが、午後から下り坂、という。翌10日は昼から神戸に戻らねばならぬ。急いで安下庄に戻り、庭仕事にかかる。カムロの父方の実家には立ち寄れずじまい。土産の吉備団子はオッサン2人のおやつと化した。
庭の真ん中にいつの間にかイタドリが根付いた。夏場など丈2メートルに達し通行の邪魔になる。いかにも家を荒らしているようで見た目も悪い。いくら刈り取っても根が残るものだから、ひと月もすれば元の木阿弥。西明石変態クラブH君を動員しての今回の帰省は、島の桜の撮影と花見、ならびにイタドリの駆除が目的である。
深さ50センチくらい周囲を掘り返し、ぢびぢびと本丸を攻める。株が浮き上ってはきたのだが、引いても抜けない。太い根が一本、地下に向かって垂直に深く伸びているらしい。とりあへず切断。それが、添附の写真。中央少し上の茶色いやつが問題の根、である。
しばし休憩。大阪で仕事中のうらぷぅさんに戦況を報告する。シーボルトが持ち帰ったイタドリがドイツで爆発的に増殖して現地では大困りだとか、竹みたく地下茎を張るから駆除が難儀だとか、根を残さず抜いてしまわないと何十年か後にコンクリートを突き破ってでも生えてくるとか、生命力の強い植物ゆえ除草剤を根気よく撒かなければ根が死なないとか……ネットで仕入れたといって、どえらいことを教えてくれる。
すると、残った根らしきものは地下茎か? 兎も角、こいつを掘り起こすべく作業再開。が……1メートル近く掘っても、件の根はびくともしない。もっと広い範囲を掘り返して深度を稼ぐには、ツツジを何本か伐採する必要があるし、芝生も剥がさねばならぬ。こりゃ大仕事ぢゃ、ということで連休あたりに延長戦を構えることに相成った。


夕刻、庄の部落を見下ろす丘に上がり、桜の古木のたもとでH君と呑む。ここの桜は安下庄一だと、私は勝手にそう思っている。
桜の木の下には小さな墓地があり、祖父母、母、私の三代にわたってこの地でお世話になった小父さんが眠っている。ちぃと曇りよったがええ花見ですのんた。えっと呑みんさい、とか云いもって墓前に酒をお供えする。
小学校から高校の時分にかけて、冬と春に帰省する度に、この小父さんの蜜柑畑の仕事に出た。冬は雑柑の収穫、春は春肥と選別。畑を打って(=機械で耕して雑草を掻き込み、土に空気を入れること)、肥やしを入れていく。足を入れるとくるぶしまで埋まるくらいに畑を打つ作業は一日やると握力がなくなるし、丈が低い蜜柑の木の下に潜り込んで肥やしを撒く作業は腰にくる。ひととおり仕上がった段々畑を見上げて、「見んさい。蜜柑が喜うぢょる」と小父さんは云った。
小父さんが亡くなって十数年になる。その段々畑も、いまは草に覆われている。