形あるもの。

mizunowa2009-09-14

【画像】
手前 「宮本常一離島論集第1巻「怒りの孤島」に生きる人々/農業のいろは」(宮本常一著/森本孝編/全国離島振興協議会・日本離島センター周防大島文化交流センター監修)14日やっとこさ校了。30日もしくは1日出来予定。26日開催の「宮本常一写真講座」、当日の必要分だけでもむりくり間に合はせてもらふ算段(画像は、束見本にジャケット本紙刷取りを巻いたもの)。
中 「島―瀬戸内海をあるく第1集 1999-2002」(斎藤潤著/全国離島振興協議会・日本離島センター監修)8日校了、18日出来予定。
奥 「山上の蜘蛛――神戸モダニズムと海港都市ノート」(季村敏夫著)5日校了、17日出来予定(画像。これら2点は見本あがり)。


*ご予約いただいた皆様繪。本が出来次第お送りさせていただきます。今暫くお待ち下さいませ。



ハードカバー3点、計850頁同時進行はさすがにこたえた。おまけに3点すべて索引をとった。計4000項目! 面倒くさいこっちゃけど、資料性を問はれる本はきちんと索引を取る必要があると思ふ。
たとえば、「山上の蜘蛛」の作業を進めるうえで役に立ったのは、手前ミソではあるのだが、ウチで作った「古書往來」(高橋輝次著)の索引(約2000項目)だったりする。同じ高橋さんのこれまでの本でも本文中かなりの資料がとりあげられているのだが、如何せん索引取りが不充分で使い勝手がよろしくないときたもんだ。これぢゃあアカン。テンパりついでにいらんスイッチが入っとるからこんなこと云ふわけぢゃないけど、根詰めて仕事すればするほど、同業者の仕事の粗さといふか手抜きといふやつが視えてくる。それがまた困りモノなのでアル。ともあれ、版元の窮極の仕事は後の世代に向けてきちんと資料を残すこと、すなわち、いま現在の段階で可能な限り最良のものを「形あるもの」として後の世代に託すこと、この一点に尽きると思ふ。