「旅する巨人宮本常一 にっぽんの記憶」刊行

mizunowa2006-06-28

ほんぢつのみずのわBCC放送、より。


読売新聞西部本社編「旅する巨人宮本常一 にっぽんの記憶」満を持して刊行いたしました。
http://www.mizunowa.com/book/book-shousai/nippon.html

読売新聞西部本社版連載「にっぽんの記憶―旅する巨人 宮本常一の時空」(2005年1月7日〜12月23日、計50回)をまとめたものです。巻末に宮本常一撮影写真データ一覧を掲載。1400項目を超える索引を読むだけでも、さまざまな戦後史像が浮び上ってきます。


23日(金)に300冊だけ先に出来上がってきました。地方・小出版流通センターには本日納品。首都圏で3〜5日後、地方で7〜10日後あたりに、書店に並ぶ見込みです。
現在、以下の書店にて先行発売いたしております。


【発売中】
周防大島文化交流センター(山口県周防大島町平野)
鶴田書店(山口県周防大島町久賀)
海文堂書店(神戸・元町商店街
府中市郷土の森博物館東京都府中市


【本日、もしくは明日から先行発売】
書肆アクセス(東京・神田神保町
東京堂書店(東京・神田神保町
模索舎(東京・新宿)


小社への直接注文も承っております。
ぜひぜひご一読のほど、よろしくお願い申し上げます。



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旅する巨人宮本常一 にっぽんの記憶
読売新聞西部本社 編
全国離島振興協議会・財団法人日本離島センター周防大島文化交流センター 監修
A5判上製265頁 税込み3150円 ISBN4-944173-38-5 C0095
ジャケット写真 伊藤幸司
装幀 林哲夫


■本の概要
4000日を旅に暮した昭和の世間師、その時空を越えたエネルギー
民俗学者宮本常一(1907-1981)は、生涯のうち4000日以上を民俗調査に充てた。3000を超える地域を訪ね、子どもや労働に汗を流す男や女たち、街角、橋、看板、洗濯物――とあらゆるものにレンズを向けてきた。戦後だけで約10万枚。生誕の地、山口県周防大島町で2004(平成16)年開館した周防大島文化交流センターが保管している写真のうち77点から、九州・山口の戦後、そして高度成長期を挟んで激しく変貌した日本の足跡をたどり、「いま」を描く。


佐野眞一さん(ノンフィクション作家)の解説より
 本書は、生まれ故郷の山口県周防大島町以西の九州各地を歩いた宮本常一の足跡を、宮本が撮影した写真をもって再訪したルポである。写真のなかの関係者を新聞記者が探し歩いて、その地域に流れた30年から50年の時間をあらためてたどり直し、日本人が忘れてしまった記憶を蘇らせようとする好企画である。(中略)
 宮本が日本列島の隅々まで残した旅の足跡は、やはり偉大である。初対面の相手を百年の知己のように結びつけてしまう力こそ、宮本の持つ時空を越えた静かなエネルギーである。



■目次


プロローグ
「豊かさ」夜明け前――昭和35年 浮島(山口県


Ⅰ 昭和20年代
移住者の誇り刻む――昭和25年 対馬長崎県
農村振興支えた私塾――昭和22年 西合志(熊本県
歓迎の舟グロー――昭和26年 対馬長崎県


Ⅱ 昭和30年代(1)
父の教え 俯瞰の視点――昭和31年 周防大島山口県
時代に消えた「街の顔」――昭和32年 日出(大分県
地名に残る苗木園跡――昭和32年 日向(宮崎県)
教会 日常の中心に――昭和32年 田野(宮崎県)
古い温泉街に新しい風――昭和33年 天瀬(大分県


Ⅲ 昭和30年代(2)
以西底引き網漁最盛期――昭和35年 福岡市
フラフープ大流行――昭和35年 上関(山口県
通潤橋の偉業たたえ――昭和35年 矢部(熊本県
蒲鉾職人の心に惚れ――昭和35年 萩(山口県
古里の風景に安らぎ――昭和35年 周防大島山口県
企業誘致で街に活況――昭和35年 串木野(鹿児島県)
離島振興へ仲間と集う――昭和35年 指宿(鹿児島県)
鉄都の象徴 東田高炉――昭和35年 八幡(福岡県)


Ⅳ 昭和30年代(3)
水産業衰退を予言――昭和36年 野母崎長崎県
島の女が作った道――昭和36年 小値賀(長崎県
今は昔の自宅披露宴――昭和36年 周防大島山口県
子どもの世界 見守る浜――昭和36年 野母崎長崎県


Ⅴ 昭和30年代(4)
ミカン増産 情熱の日々――昭和37年 西有田(佐賀県
枝ぶり堂々 千三百年の杉――昭和37年 小国(熊本県
茅葺き消えても快適――昭和37年 五家荘(熊本県
日本海にもまれて――昭和35年 見島(山口県
海の子はこうして育つ――昭和37年 見島(山口県
籠の美に魅せられて――昭和37年 蘇陽(熊本県
島の暮らし 船頼み――昭和37年 対馬長崎県
子どもの歓声 今は昔――昭和37年 佐賀市


Ⅵ 昭和30年代(5)
「銀座」今は面影なく――昭和38年 柳井(山口県
難所の県境で国道整備――昭和38年 宇目(大分県
島の食堂 人生刻む――昭和38年 長島(鹿児島県)
「浜子」が支えた塩田――昭和39年 三田尻山口県
路面電車で猿見物――昭和38年 大分市
五輪特需は民具にも――昭和39年 弥生(大分県
名士訪問 村あげ歓迎――昭和38年 姫島(大分県


Ⅶ 昭和40年代
陳情不要の分権説く――昭和41年 中種子(鹿児島県)
乱開発へ危機感――昭和41年 湯布院(大分県
師を待つ港 緊張の春――昭和41年 西之表(鹿児島県)
木材需要に応えた希望の杉――昭和41年 七山(佐賀県
筑豊の盛衰見届け――昭和43年 田川(福岡県)
栄枯盛衰 牛の声――昭和41年 七山(佐賀県
ミカン畑、経塚も消え――昭和41年 相知(佐賀県


Ⅷ 昭和50年代
北へ南へ 女の行商――昭和53年 都農・門川(宮崎県)
博多駅変えた新幹線――昭和50年 福岡市
神話の里 伝承の舞――昭和53年 西都(宮崎県)
復興を生む絆――昭和50年 玄界島(福岡市)


エピローグ
未来の島に膨らむ夢――昭和35年 浮島(山口県
四十五年後 それぞれ懸命に――昭和35年 浮島(山口県
民俗学 若い世代へ――昭和55年 周防大島山口県


宮本常一データベースのこれから 監修にあたって1
     岡元博(周防大島文化交流センター)
現代の日本残酷物語 監修にあたって2
     大矢内生気(全国離島振興協議会・財団法人日本離島センター
解説 時空を越えたエネルギー
     佐野眞一(ノンフィクション作家)


索引
周防大島文化交流センター提供写真一覧