願い下げ。

mizunowa2007-06-04

【写真】
思うところあって、竹尾紙業の見本帖セットをほぼ10年ぶりに更新した。ヴァンヌーボなど銘柄によっては4°の刷見本がついているのが嬉しい。


7月中旬出来の予定で、「宮本常一のメッセージ」(仮題)の編集を進めている。先週末初校が出た。
講演を起こしたものゆえ当然といえば当然なのだが、原稿整理が大変だった。原稿が真っ赤になるくらいに朱を入れ、ワープロ原稿を直す(プリントアウトを広げて赤鉛筆で朱を入れるのが最も確実な方法である。ワープロ上だけで校正すると間違いなく目が滑る。パソコン万能の時代にあって原始的所作と嗤うなかれ)。それを出力して新たな朱を入れ、またもやワープロ作業……。印刷所に入稿する前段階で3、4回、校正の前段階でのワープロ上での作業を含めると5、6回はこんな作業を繰り返す。そこまでやって初めてゲラが出せる。

7月中旬出来予定!

仮題 宮本常一のメッセージ
著者 佐野眞一・藤本淨彦・碓井巧・小泉凡・立松和平
体裁 A5判並製120頁前後
予価 本体1500円+税


主な内容
1 宮本常一のメッセージ 佐野眞一(ノンフィクション作家)
2 仏教と医療――宮本常一の"生き方とことば"に学ぶ 藤本淨彦(佛教大学教授・浄土宗西蓮寺住職)
3 『中国山地』取材と宮本常一 碓井巧(広島文教女子大学教授・元中国新聞記者)
4 小泉八雲宮本常一――旅人が残したもの 小泉凡(島根女子短期大学教授・小泉八雲記念館顧問)
5 わがこころの旅 立松和平(作家・NPO法人ふるさと回帰支援センター理事長)

宮本常一の生誕100年……だからと云ってお祭りよろしく大騒ぎするのはイヤらしいというかまったく好まんのだが、本を売るええ機会ではある。世間がどう評するかは知らんが、私個人は「生誕100年記念」出版というつもりはさらさらない。


宮本生誕100年といえば、こげなこともある。
宮本の評伝を書くといって慌てふためいて宮本関係者の取材に歩いている人がいる、と聞いた。取材を受けた人によると「生誕100年の今年でなければ出版社が出してくれないから急いでいる」と云うとったんだと……。はあ、何処の版元だらうねえ、そんなクソくだらんことほざいとるのは。そのライターさんもどないかしとる。どうせ付け焼き刃のやっつけ仕事だらうが。そんなんで佐野眞一さんや佐田尾信作さんの仕事を凌駕するだけの独自性が出せるんかね。まあ、はじめっからウチにはお座敷かかるはずのない話やからええけど、「生誕100年の節目」であろうがなかろうがこちらから願い下げぢゃ。