「瀬戸内海の島と街 人と暮らし――宮本常一写真図録1」のお知らせ

mizunowa2007-06-29

【写真】
帆布で作った布袋(ホテイではにゃい)を「カヨイ」といった。一升瓶やビール瓶を入れるプラスチックのケース(昔は木筺だった)を通函(カヨイバコ)と呼ぶのと同じで、以前はこれを提げて酒を買いに行った。左は周防大島は安下庄、長尾八幡宮の神事場(ジンジバ)近くにあるF田酒店のもので20年以上前のもの。右は広島の蔵のもので、西条の酒まつりのおみやげとて中○新聞のむっつり助平S記者に貰った。

ちなみに私は大島に帰省した折は、日本酒と瓶ビールだけは神戸から持ち込まず、多少値が高くとも地下(じげ)のお店で買うことにしている。ウチの島にも最近はコンビニが出来たりしているし、実際コンビニのほうが安いのだが、安直にそれに流されてはいけないと自戒している。その結果ますます富の偏在を招き、地方という地方、僻地という僻地が疲弊していく――すなわち自らのクビを締めることにつながる。私のやうな貧乏人がやることなどたかが知れているのだが、それでも、少しでもわが島の商店におカネを落とさなければならぬ。これは、旅先でも同じだと思っている。


以下、7月下旬の新刊じょーほー。
周防大島文化交流センターが収蔵する宮本常一の10万点の写真を活用した企画展示「宮本常一・瀬戸内海をあるくみるきく1――瀬戸内海の島と街 人と暮らし」をまとめる。昭和30〜40年代を中心に宮本常一撮影の写真約200点掲載。文化交流センターではこれまで「日本の離島」など4回の企画展示を行っており、その図録も小社より順次刊行の予定。

瀬戸内海の島と街 人と暮らし――宮本常一写真図録 1(仮題)
周防大島文化交流センター・編著/宮本常一・写真/森本孝・監修/みずのわ出版・発行

2007年7月下旬出来予定 A5判並製144頁前後(カバー装)
予価:本体1500〜1900円+税 ISBN978-4-944173-50-1 C0336


1 復興する広島を歩く
広島という町――広島市
広島城下――広島市
爆心地付近――広島市
コラム 宮本常一の写真から 1 佐田尾信作(中国新聞記者)


2 広島湾のくらし
カキ養殖――広島市
海を失った漁村――広島市仁保
民衆の信仰を集めた安芸の宮島――広島県廿日市市
空から見た横浜と似島――広島県安芸郡坂町・広島市南区
古い造船地 倉橋島――広島県呉市
段々畑と無人の島 鹿島・横島――広島県呉市
空と海から見た能美島江田島――広島県江田島市
コラム 宮本常一の写真から 2 印南敏秀(愛知大学教授)


3 町の変貌、島の変貌
岩国界隈の変貌――山口県岩国市
塩を炊いた島 柱島――山口県岩国市
人口流出、共同井戸、平等分割 端島・黒島――山口県岩国市
問屋商人の町 柳井――山口県柳井市
帆船の築いた町――山口県熊毛郡上関町
小さな島の文化交流 八島――山口県熊毛郡上関町
コラム 宮本常一の写真から 3 谷沢明(愛知淑徳大学教授)


4 松山から忽那の島々へ
四国の旅の玄関口 松山――愛媛県松山市
県境の島 津和地島――愛媛県松山市
変化する島のくらし 怒和島――愛媛県松山市
協働精神で生きた島 二神島――愛媛県松山市
無人島になった島 由利島――愛媛県松山市
コラム 宮本常一の写真から 4 豊田渉(松山市中島総合文化センター)


5 車窓の風景
車窓の風景――大畠〜広島〜大竹〜阿多田島
コラム 宮本常一の写真から 5 伊藤幸司(写真家)


解説 佐野眞一(ノンフィクション作家)


資料篇
周防大島文化交流センターの活動に寄せて 森本孝(漁村民俗学者/元日本観光文化研究所あるくみるきく」編集長)
周防大島文化交流センターの活動概要
宮本常一 農漁村採訪録』案内
周防大島文化交流センター案内