伝説の雑誌「あるくみるきく」再刊

mizunowa2006-08-10

【8月10日】
印刷所の盆前営業最終日。出来上ったブツを引き取りに、昼から出掛ける。
初刷1000部。一寸作りすぎちゃうか……という不安の声も聞かれるが、これ以上減らすと定価がつけられなくなってしまう。また、この手の本が最低最悪でもこれくらい売れてくれへんことには版元なんかアフォらしうてやっとれん、という思いもある。

ページメーカー等を使って自前で版下を作れば、印刷代は下がる(そうして作った本も、これまでに数点ある)。しかし、ウチは手が2本しかない。それに、日々本作りに専念できるような環境にもない。この本は写真やコラムが本文中に割り込み、索引取りもある。組版まで自前でやってしまえば、内容校正、文字校正その他諸々確実に甘くなる。多少経費を喰うてでも印刷所で組んでもらっているのは、本の質を下げないことと私の体力的精神的負担の軽減のため、である。

兎に角、1冊でも多く捌けてくれることを祈りつつ。



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沖家室 瀬戸内海の釣漁の島――あるくみるきく195復刻
森本孝・須藤護・新山玄雄 著
沖家室開島400年記念事業実行委員会 編
A5判並製102頁 税込1365円 ISBN4-944173-40-7 C0095 \1300E
表紙写真 森本孝
装幀 林哲夫



[内容]

宮本常一が所長を務めた近畿日本ツーリスト日本観光文化研究所発行の月刊誌「あるくみるきく」195号(1983年5月)の特集「沖家室 瀬戸内海の釣漁の島」の再版。写真を選び直し、詳細な索引をとったうえで解説を付す。1冊まるごと特集、という伝説の雑誌を甦らせる初の企画。



[目次]

沖家室という島(森本孝)
1 海から見た沖家室(森本孝)
2 陸から見た沖室室(須藤護)
おわりに(須藤護)


[コラム]我が島 沖家室(新山玄雄)
盆に沈む島/移民/石垣/峰松/道/念仏島/古墓様/泊清寺/鱶地蔵/海賊浦/御舟倉/医療/過疎/子供たち/島に架ける橋


島の盛衰と絆――復刻にあたっての解説(新山玄雄)