テコ入れ

mizunowa2006-03-16

【3月14日】
宮本常一 旅の原景――なぎさの記憶2』(田中慎二・荒木肇=写真/佐田尾信作=文)の、新しい帯が刷り上がってきた。夕方大阪は大正の印刷所で受けとり、早速、年度末の常備切替品10冊に巻き、予備とあわせて地方・小出版流通センター宛に発送する。
この本、昨年7月の刊行。4°刷のジャケットを掛けた上製本を筺に入れ、本の表題と著者名等記した帯を筺に巻くという、林哲夫画伯らしい品の良い仕上がり。だが、直売時の反応は良いものの取次経由でいまひとつ実売が伸び悩んでいる。ウチの本で、店頭で面積みもしくは平積みになることなんてまずあり得ないのでこの際潔く、ということで造りの美しさを追求したのが裏目に出た、のかもしれない。最近、本の出来不出来にかかわらず取次扱い分の実売が芳しくないだけに、それだけの問題とは思えない節もあるのだが……。
兎に角テコ入れしかない。今後、取次扱い分は筺をつけず、ジャケットと帯だけで出荷する。新しい刊行案内も作らなければ。遅れているこのシリイズの1巻と3巻もなるべく早めに目星をつけよう。


【3月15日】
手始めに神戸元町海文堂書店にて、店頭在庫2冊、筺を外して件の帯を巻く。ついでに直納品追加5冊。1冊でも多く売れてくれることを祈りつつ。


宮本常一 旅の原景(なぎさの記憶2) 田中慎二・荒木肇=写真/佐田尾信作=文
■2005年7月刊 A5判上製94頁 本体価格2500円+税 ISBN4-994173-32-6 C0095
■ジャッケット写真 愛媛県由利島(撮影=荒木肇)
■装幀 林哲夫


■新しい帯の文言
【表-1】
自然は寂しい。しかし人の手が加わるとあたたかくなる――

【表-4】
瀬戸内海国立公園指定70周年(2004年)を記念した中国新聞の通年企画「ふるさとの海」単行本化第1回配本(全3巻)。山口・愛媛両県の海域の島々や海辺の取材ルポで、現場の多くが山口県周防大島出身の民俗学者宮本常一の足跡と重なり合う。宮本や歴史学者網野善彦らがこの海域をかつて旅した時代に思いを馳せ、その背景を考察する記者の「取材ノオト」を加筆。取り上げた題材は、磯漁、木造ミカン船、鯛一本釣り、棚田など多岐にわたり、写真(15点オールカラー)は洋上からの撮影、空からの撮影を駆使した。