『男達の神話』初校読み合せ

【3月16日〜18日早朝】
画家福島清さんの自伝的小説『男達の神話』(5月刊行予定)初校の読み合せにかかる。16日は午後3時から10時頃まで根詰めて仕事する。500頁中200頁片づけたところでお開き。なかなか思うように進まない。朝から仕込んでおいた饂飩やら明太子やら肴に酒呑んで、午前2時前に解散。17日午後から延長戦。日付変更線を越えても決着がつかず、そのまま徹夜。翌18日の午前7時頃までかかる。
文芸ものの編集は、初校がいちばんキツい。入稿前、ワープロ原稿の段階で手を入れたり確認をとったりするのだが、ゲラの形にならなければ視えてこないものがある。編集者が朱を入れるとしても著者への確認が必要な箇所は多々あるが、著者の入れてくる朱を何でもかんでもはいはいと受け容れていたのではいいものにならない。引っかかった時には一つひとつ双方の意図を確認し、合意をとりながら前に進める。企画出版であろうが自費出版であろうが、そこで手を抜いてはならない。プロとして基礎中の基礎だが、それを大事にするか否かで本の完成度に天地の差が生じる。