アリバイ的署名運動には協力できぬ。

元町駅前。サラ金金利を下げよ、という内容の街頭署名を求められる。社会正義の運動なのだから協力して当然……というオーラがわらわらと出ている。虫酸が走る。

このご時世に何甘っちょろいこと云うとんねん。金利下げても問題は解決せん。サラ金は撲滅あるのみぢゃ。最近は銀行までもがカネ貸さん代わりにサラ金まがいのあくどい商売に手を染めとるやないか。署名文には、それが一行も書かれてへん。本気で叩き潰す気ぃあるんか。あんたらがやっとんのは、共産党の「消費税を3%に戻せ」署名みたいなもんや。消費税は廃止せなあかんやろ。あの署名運動かて何の効果もないまま、有耶無耶のうちに立ち消えになったやないか。消費税増税で困っとる人らの思いに対して、共産党がオトシマエつけたって話聞いたことあるか、とか何とか云ってやる。

それでもこの一歩から、と云って協力を求められたが、無下に断った。アリバイ的運動が社会を米粒ひとつずつでもよくしていこうとする「一歩」になりえないことは、経験上よくわかっているつもりだ。
署名運動そのものを否定するつもりはない。だが、やるからには責任を持て、負けた時には腹を切るくらいの覚悟を持て、ということ。神戸空港建設にかかわる一連の住民投票運動と市長選をめぐる所謂“民主陣営”の体たらくが脳裏をよぎる。