豚まん食べよー。

ただいま10月9日午前0時すぎ、日付が替わったところ。林哲夫画伯の新著「読む人」へのイラストサイン入れがひととおり完了し、戌画伯からの差し入れの豚まんで一寸遅めのおやつをよばれて解散。夕方、近所にサイン本予約分を届け、ビイル1本だけ呑んで帰り、その後ひたすら内職。土曜の晩にむりくり印刷所に原稿を放り込んだ「本屋の眼――神戸元町海文堂書店 丁稚の備忘録」(仮題、平野義昌著、12月中旬刊行予定)の日程表を作る。見切り発車なりに目途が立ってきた。多忙にかまけて棚上げになっている企画も少しは前に進めないことには……。背水の陣、ほんまに生きるか死ぬか、だ。

さて。
豚まんといえば。今はなき大阪球場の定番ヤジにこんなのがあった。
南海ホークスの4番指名打者門田博光選手が三振してダッグアウトに戻ってくる。そこでオッサン「おーい門田ぁ。腹減って力出えへんのかー。豚まん喰うたら力出るでー。一緒に食べよー」。で、ベンチ裏でほんまに食うたらしい。
「おーい門田ぁ、相変わらず肥えとるのう。こっち来て豚まん食べよー」というのもある。いずれにせよ、何でそれが豚まんなのかは謎だ。

コンビニの普及とか言葉の画一化で、関西でも最近は東京式に「肉まん」と呼ぶケースが増えた。が、どうも美味そうに聞こえない。難波の551とか神戸新開地の春陽軒、南京町老祥紀のそれは、やっぱり「豚まん」でなければ実感がわかない。明石の「玉子焼き」みたいなものだ(とってつけたやうに「明石焼き」なんていわれてもなぁ)。

10年くらい前、写専の同期裏ぷーさんが大阪市大病院に入院した折、551の豚まんと「宇宙家族カールビンソン」の単行本セットを土産にお見舞いに行った。平宗の柿の葉寿司を買うていきたかったのだが、JR天王寺駅では売ってなかったので代わりに豚まんを仕入れた。特に根拠はない。
それ以降、看護婦さんの対応が心なしか冷たくなった、という。「あの豚まんの味は生涯忘れないだらう」という手紙が、後日裏ぷーさんから届いた。