本を作る人間の劣化。

mizunowa2012-05-31

【画像】
昨夕ご近所3人で仕事あがりに釣りに行った。画像は庄の埋立地からみた嵩山(だけさん)。昼間の日差しは強いが風は冷たいくらいで、梅雨前のいちばんしのぎやすい時期でもある。
釣果=ホウゴ1匹、ヒコタン3匹。煮付けて食うた。ウマかった。写真撮り忘れた。


【本を作る人間の劣化】
予約本発送の困りごと。受取人が失念している、もしくは人伝の注文ゆえの連絡不行届きがもとで、受取拒否で戻ってくることが少なからずある。なにが入っとんか、まずは開けてはみんかね? 開けてみりゃ、中に文面くらい入っとるだらうから、送り返すにしてもそれ見てからでええだらうに、開けもせんと戻ってくる。著者関係者通じて確認して再度送付となった場合には着払にしているが、手間暇と神経疲れ考へたらやっとれん。
刊行案内の発送でも同じやうなことがある。「こんなもの送ってくるな!」といふ、とげとげしい文面の受取人払葉書がきた日には仕事する気が折れる。世上を覆う不信感、個人情報ナントカといふやつ、こいつがすべてのガンやと思ふ。
18年前、1年間東京で仕事して面食らったこと。道を尋ねても教えてくれへんどころか無視して過ぎる人の多いこと、さらには、教えてくれてもぢつはそれが出鱈目嘘八百といふ人がけっこう多かったこと。私が、東京といふ街が嫌いになったいちばんの理由である。そのころは人が集まり過ぎた大都会ゆえと思ってもいたし、実際に地方都市ではそんな目に遭うことは少なかった。いまはどうかね。田舎はまだ古風が残っとるけど、地方都市クラスではだいぶと変わったやうに思ふ。写真も然り。都会では、人物入れて写真なんて撮れん。数年前に某雑誌の仕事で「駄菓子を売る紙芝居の親爺とそれを覗き込むアホ面の子供」の写真を提出した際、編集者から「写った子供に許可を取ったか」と訊かれた。人がわらわら集まる場所で撮ったものでいちいち許可などとるわけなからうが(加えて云へば、お祭りなど、こういうケースで人を撮る場合は原則として許諾不要である)。件の編集者曰く「それは盗撮ですよ」と。寝言は寝てから言えってなもんだが、個人情報保護とかプライバシーとかいったお題目唱えて、ものを考えなくなっているといふこと。本を作る人間の劣化はここまできている。