コメと魚はエライ!

mizunowa2006-09-29

【写真】
ねこのわ謹製ヅケ丼


年々傾いていく本業(出版事業)の穴を埋め合わせるため、ウチの経営上の重要な柱となっている副業(編プロ仕事)のため、6日連チャンで缶詰生活をした(とは云っても、時々気分転換に呑みには出たが)。いま9月29日午前2時前。ひととおり仕上げてクライアントに送信、仮眠をとって日付が替わる頃に起き出してきた。この間ストップしていた本業のネジを巻き直すのが大変だ。

この1週間、2、3回呑みに出た以外、食事はすべておさんどんですませた。少々高モノを買うたとしても、1食あたりの単価を考えるとコメがいちばん安い。おまけに(精米したてが旨いとはいえ)そこそこ保存がきく。何のまぜものもなく水だけで炊いて(白ご飯炊くのに味の素入れるなんて話、さすがに聞いたことがない)、和洋中えとせとら何でも合わせられる(それって純米酒にも通じますのう)。コメはエライ! ○崎パンとか○島パンみたいなインコのエサ喰うとらんと、アジア人はコメを喰うべし。

一昨日、戌画伯が刺身を差し入れてくれた。そいつの残りがヅケにしてある。濃口醤油と煮きり酒を半々。昆布があればさらによし。あとは冷蔵庫で寝かすだけ。多めに作っておくと、日々味が変わっていくのが楽しめる。受け付けない方にはすまないが、腐る手前がいちばん旨い。

ヅケにも結構バリエーションがある。酒・醤油に摺り胡麻と青葱を混ぜ、鰺をヅケにしたのが大分の郷土料理「リュウキュウ」。福岡の胡麻サバは、マサバの刺身を酒・醤油・摺り胡麻であえて少し寝かしたものを食す(サバの一種=ゴマサバのことではない)。酒の肴に最高、丼も茶漬けもいける。
鯛狸(=^・^=)さんが沖家室島で経営する民宿「鯛の里」(http://www.h3.dion.ne.jp/~kamuro/)の裏メニューにヅケを用いた“鯛茶漬け”(鯛狸茶漬け、ではない)というのがある。読売新聞2005年8月16日付「お品書き 有名人の思いでの食」で、佐野眞一さんが熱く語っている。

読売新聞2005年8月16日付「お品書き 有名人の思いでの食」
「タイ茶漬け」佐野眞一さん/「大往生の島」暮らしの味
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/food/shinagaki/20050816gr01.htm

読売新聞の記事では白ごはんと書かれているが、茶粥(周防大島独特のもので、大和盆地や紀州のそれとはまったく異なる)もまた合う。小社刊「宮本常一のまなざし」(佐野眞一著)第5章の浜美枝さんとの対談で触れている。版元オススメの一冊。これを読んだら鯛の里へ行きたくなる……はず。まだお読みでない方は是非!